V系メンズに恋してる
仮3
『つ、付いた…』


遂にサリーに着いちゃったよ!
汗ばむ手でサリーの扉を押した。


『いらっしゃいませ』

20代前半位の男性店員が私に向かってきた。

『あ、あの〜ま、真嶋さんの…』

緊張して言葉が出ないよ〜。


『真嶋様のお連れ様でいらっしゃいますね?どうぞ』

察してくれたみたい…。良かった。


サリーの中に入るのは初めて。だってここ高いんだもん。


サリーの店内は照明は暗めだ。洋風で高級感があるレトロな造りになっている。


店員は一番奥の壁で仕切られた席で止まった。入口はカーテンのような布で仕切られている。


『真嶋様、お連れ様がいらっしゃいました』

店員は入口前で布を開けず話した。

『高橋君ありがとう』


『いえ。失礼します』

高橋君…店員の名前だろう。顔も見ないで店員の名前が分かるって事は常連なんだろうな。


店員は自分の持ち場に戻っていった。


『梓ちゃん、入ってきなよ』


布の奥に真嶋 麗がいるんだ。


『は、はい』


私はゆっくり布を開けた。
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