【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
Lesson Ⅱ -強引男子と花火大会-

1時限目







「来週の日曜日、家庭教師はナシにしてほしいんですけど……」




舜くんは、結局悠ちゃんの説得に折れてくれず…。




私がこうして直々に頼み込んでいる。




しかも舜くんは、なぜだか不機嫌になっている状態。




「来週何があんのか知らないけど、お前は勉強しなきゃマズイだろ?」




…ご最(もっと)もですとも。




だけどね、人間楽しみがなきゃいけないの!




これまで頑張ってるんだし、一日…たった一日くらいいいじゃない!




「そうだけど…これから頑張るから!」




頼みますっと頭をさげても、舜くんはなかなかイエスと言わない。




「宿題も、ちゃんと終わらせたよっ!」




そう言って私は、昨日半分徹夜で頑張ったノートを見せる。




買い物から帰ってきてハッと気付いたの、忘れていた宿題の山のことを。




すごい勢いで舜くんの目の前にノートを突き出すと、さすがに驚いたみたい。




まぁ、さすがに今まで一問も解らなかったバカ女が、全部解答をかいているとなると…。




驚くを通り越して、目を見開くでしょう。





もちろんこの問題集の答えは舜くんが持って帰ったため、カンニングもできないから…。




「………結果次第。」




今回は、舜くんも私の頑張りを認めてくれたらしい。




私は赤ペンのキャップを取って丸付けを開始した舜くんの指先を、ただただ見つめていた。









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