満員電車の中で!?
不機嫌な王子様
いったいなんなの....。
せっかくのデートなのに、何で怒ってるの!
えーい、聞いちゃえ!
「ねぇ、どうかしたの?」
「別に。」
別にって.....。
「じゃあ何で怒ってるの!」
「怒ってねーよ。」
あーそうですか。もういいわよ!
呆れてため息をついたそのとき。
「もう...限界。」
「えっ...」
突然何かをつぶやいたと思ったら、私の体を引き寄せた。
何々!?
「ちょっ....」
そのままくるりと回転させられる。
陸は端っこのドアの近くにいたから、私はその角に閉じ込められる。
「どうしたの!?」
「さっきからお前、触られすぎ。もう少し自覚しろよな。」
触られる?誰に?
「何言って...」
ワケが分からないと言う顔をしていると、ため息をつかれた。
そして私を閉じ込めるように壁に手をつくと、そのまま耳元に顔を寄せる。
「あんま妬かせんなよ?」
顔が赤くなるのが分かった。
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