初めての恋の甘い誘惑~レンタル彼氏は学園王子~
……考えた事もなかった。
俺は淋しかったのだろうか。
だけど…、もうどうでもいい。
杏奈がいてくれるなら。
こうして笑いかけてくれるなら。
「杏奈…」
「ん?」
「俺、お前が好きみたい」
「…え…っ」
胸の中の杏奈をそっと見下ろす。
ウルウルとした瞳が驚きで輝いている。
「………」
そっと唇を重ねるとその目がスッと閉じていく。
……俺のものだ。
彼女の全てが。
傾きかけた太陽がそんな俺達を柔らかな光で照らしていた。