Tricksters
モップのことならDEMEKINへ



──モップのことならDEMEKINへ

今すぐ、お電話を!

365日24時間対応します!



ってか、モップについて深夜や早朝に問合せする奴っているのか?

365日24時間じゃなくてもいいような気がするけどな……



「お待たせしました。担当の雨宮です」


デメキンの応接室に現れた担当者。

この会社は、みんな作業着姿が基本らしい。

雨宮さんは、三十代くらいの背が高い男だ。作業着のジャンバーの下にはワイシャツとネクタイが見えている。



「それで? ご用件とは?
手品グッズを扱う企業でしたよね?」


雨宮さんの態度は、冷たい。

無駄話に付き合わされるなら、こっちの隙をついて追い出すつもりだろう。


城田部長は、「すみません」と謝ってから

くだびれた鞄から、"びっくりもっぷ"を取り出した。



「これは、わが社が開発した"びっくりもっぷ"です」

「ほぉーモップですか」


雨宮さんは、棒から飛び出したホワホワにちょっと興味を奪われたようだ。


モップのことならDEMENINへ──


だけど、雨宮さんはすぐに固い表情に戻る。




< 139 / 305 >

この作品をシェア

pagetop