わたしがお母さんになった日 ~16歳の妊娠~
夏休み前に、わたしは出産と今後の子育てに専念するため、高校を中退することになった。



最後の登校の日、わたしはなごりおしい気持ちでいっぱいになりながら、教室を見回した。


ここで晃司くんと出会い、恋に落ちた。


そして友達の美里と梓にも出会えた。この高校に行かなければ、出会えなかった多くの人たち・・・。


大切な人たち・・・。




「わたしは漫画家になりたいから、別に高校にはそんなに行きたかったわけじゃないの。」

わたしは美里と梓に言った。

「でもいざここを去るとなると何だかちょっと寂しい気分。でもわたしにとっては、赤ちゃんのほうが大事だから、高校やめることは全然後悔しないよ。それに高校やめて、ママになっても、漫画家目指すことはできるから。」



「由衣ならきっと、子育てと漫画家デビュー、両方できるよ。」

美里はそう言ってくれた。



「うん、きっとそうだよ。わたしたち、由衣のこと応援してるからね。」

梓も元気よく言ってくれた。



「ありがとう。」

わたしは微笑んだ。


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