龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
黒服が家にやって来る

うちの表門の前に黒い車が停まっている。


ピッカピカね


圭吾さんのお客様かな?


車に見とれながら門をくぐり抜けようとした途端、黒いスーツを着た男性四人に取り囲まれた。

みんな体格がガッチリしていて、テレビドラマで見るボディーガード風だ。


「何者だ?」


えっ? 何者って――ここわたしの家なんだけど


とりあえず愛想笑いを浮かべる。


「ごきげんよう」

従姉の彩名さんの真似をして上品に言ってみた。

「この家の者ですが、何か?」


四人は顔を見合わせた。


「聞いているか?」


「いいや。この家のお嬢さんは一人のはずだぞ」


もうっ!


「家の者を呼んでいただけます?」

わたしはいささかムッとして言った。


一人が無線のような物で誰かと話してる。
< 1 / 120 >

この作品をシェア

pagetop