片想
・ 疑惑




朝、出社するとアタシの机の上に置かれた傘――。

これは昨日の。

宮垣くんが置いてくれたのだろうか。

でも…。
傘を見ただけで思い出す。


ふと宮垣くんのほうを見ると
彼は…。

知らん顔して仕事をしている。

何もなかったように。

昨日のこと、
和水チーフに言うんだろうか。

アタシのこと、
言うんだろうか。


それだけは…。

どうしても。


だって
今まで
こうして
やってきたのに。


< 107 / 244 >

この作品をシェア

pagetop