誓~天才演技者達の恋~

俺も百合亜が大好きです


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「百合亜ちゃんー!!」



百合亜の乗る搭乗口に、報道陣やファンを含め500人ほどが詰め掛けていた。


響くフラッシュ音と歓声。


百合亜はすべてに答えながら歩いていく。



「百合亜」



百合亜の目の前には、な親友の明日香が立っていた。


一気にフラッシュを浴びる明日香。



「超有名人と親友なのは大変ね。」

「明日香だって有名人でしょう??」

「あたりまえでしょう??私を誰だと思ってるの!?」



百合亜は思いっきり明日香に抱きついた。

明日香もそれに答える。


明日香ニコリと笑って見せると、耳元で呟いた。



「私ね。日比野卓也が好きだった...」



百合亜は明日香からゆっくりと離れる。



「えっ!?」

「卓也は必死に、演技の勉強をしていた。
その姿に心惹かれたの...」



明日香はある日。

使われていない教室で演技をする卓也を見つけた。


放課後の夕日が教室に差し込む中、卓也は百合亜から貰ったのだろうか。

台本を握り締め、明日香の存在に気づかれないくらい集中して、一生懸命やっていた。


その時、明日香は卓也に恋をした。


卓也は明日香に気づくこと無く、そして他の誰かに見つかるワケも無く。

毎日演技の練習をしていた。


明日香は毎日のように、その姿を隠れて見ていた。


告白しようか悩んでいた時、ある一言を聞いてしまった。



『好きだ。大好きだ...百合亜

ずっと昔から俺は
オマエだけを見てきたんだ』


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