もらう愛=捧げる愛
「行こっ♪」


並んで歩くと、甘い顔とは対照的な広い背中。


あたしが今まで見てきて爪を立ててきた背中とは違う…キレイな。


キレイな背中。


そう思うと途端に胸のあたりがかゆくなる。


この背中は誰のモノなんだろ…。


特別な想いじゃない、単なる好奇心…だよ、ね?


「ハ…ハルくんっ」


「何?初音さん?」


「せ…背中…」


「背中?」


「じゃなく…て…。ハルくんの彼女って、どんなコ?」


「彼女…?」


「うん、彼女」


「う~ん…。そうだな…。まだよくわからないな」


「つき合い始めたばっかりなの?」


「じゃなくて。多分これからどんどん好きになっていく人の事だから、よくわからない」


「…ふぅーん…」
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