LOVEsoHIGH
*リザーブ*
「お待たせしました」


就寝中のお客様もいる。

コーヒーを置くと、足早に立ち去らないと……


なんだか、彼の手のひらで踊らされているみたいで自分が不憫になってきた。



「ちょっと待って」


彼も声を潜める。

30のAは万年筆をメモ帳に走らせると、それを素早く切り取った。


「はい」

それを私に無表情のまま差し出す。

一瞬目が合ったのに、彼はまた不機嫌な顔をすると

すぐに目を反らした。


すると今度は、私の手を掴む――……



不機嫌な彼は、突然手を掴んで私の手のひらにも万年筆を滑らせる!


くすぐったい……
だけど、心臓は爆発寸前


悲鳴をあげなかっただけでも褒めてもらいたい。




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