side:Miki Morimoto



「おねいちゃん、ほら、これみて?」

ここはあたしが寝かせてもらっていた部屋の隣にある子供部屋。

6畳の部屋には畳が敷かれ、ベランダに続く大きな窓にはレースのカーテンがかかっている。

隣の部屋と繋がっている麩(フスマ)があるちょうどその横には祈(イノリ)ちゃんくらいの丈の、小さな本棚があった。


その傍には、キリン、ゾウ、ウサギ、その他にもたくさんのぬいぐるみが入ったおもちゃ箱が置いていた。


これらはきっと潤(ジュン)さんが買ったんだね。

おもちゃ屋さんで『これがいい』と指さす祈ちゃんと、うなずく潤さんの姿が目に浮かぶ。


――可愛らしい雰囲気をしたここはどうやら南側の部屋らしい。

お日様がなくてもそう思ったのは、この間にお仏壇があったからだ。

おもちゃ箱と反対の方向に設置されている小さいけれど黒塗りの両手開きのお仏壇は、中には金が貼られている。

きちんとお線香が立っていて、お鈴があった。

お仏壇の中には大きめの御札と、女性の顔写真。写真の中のその女性は、祈ちゃんと同じ栗色の髪をショートボブにしていた。

二重の目は和やかに微笑んでいて細くすぼめられているけれど、大きい目をしているんだということは見ればすぐにわかる。

その写真の、たった1枚だけでも、ものすごく優しい性格の女性だと理解できる。

この女性はきっと、祈ちゃんのお母さんだね。

そう思うのは、だって写真の女性と祈ちゃん。とても似てるもの。



えっと……手を合わせた方がいいのかな。


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