出会ったその日に、セックスをした。

 なーんてらしくないことをしたところで、私の日常は何も変わらない。毎日同じように仕事をするだけ。相変わらず毎日残業。

 帰ってから邪魔な男がいなくなったことだけが最近の変化だと思う。


 あの日から、一週間。厳密には10日。なんって月日は早いんだろう。このままぼーっとしていたらすぐさまぽっくり死んでしまいそう。

 こんな不規則な生活していたらなおさらだ。


 月日はあっという間なのに……私の心の中には未だ彼がいるんだから……。私こんなに引きずる方だったっけ? と自分に問い掛けたくなってしまう。

 祐治のことなんかもう思い出す時間も無くなったし、もうどんな顔だったかも分からなくなってくる。

 それほど、翔が特別なんだろうか。忘れたいのに、彼の手が、彼の笑顔が……頭にこびりついて離れてくれない。今更どうしようもないのに。もう、会うこともないのに。もう、他人だって言うのに。

 いや、会おうと思えばどうとでもなるのもわかっている。家だって知っているし、連絡先だって舞を通せばすぐに手に入るだろう。

 だけど、怖い。
 そこで拒否されたらどうして良いのか分からなくなってしまう。

 現に今、彼からは何も連絡がないのだから……。彼だって、私と連絡とる方法はいくらだってある。だけどそれをしていないのに……。


「崎岡さーん」

「はぁい!」


 ぼーっとレーザープリンターの前で立ち尽くす私に、背後から社長が呼びかけてきて、ぱっと頭を切り換えた。

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