蜜色オフィス
◇「傍にいるよ。……ずっと」



「第三会議室?」


宮坂が持っていたキーで開けたのは、福田くんのせいで別名をお仕置き部屋と名付けられた部屋。
第二営業課に戻ると思っていた私は、後ろでドアと鍵を閉めた宮坂を振り返る。


「鍵、なんで持ってるの? 確か、会議室の鍵って管理職以上じゃないと持てない……」


って言いかけて、その理由を思い出す。


「そっか。課長だもんね。宮坂。私もこれからは宮坂課長って呼ばないと」
「早川までからかうな」
「でも、本当の事でしょ。課長を呼び捨てなんて、いくら同期でもマズイし」
「同期なら今まで通りでいいだろ。他のヤツらにもそうしてもらうつもりだし。
じゃないと、仕事がやりにくくて仕方ない」
「そうなの? じゃあ……、宮坂課長がそう言うなら」


わざと言った"宮坂課長"。
宮坂は呆れ顔で笑って、会議室に置かれている長机に寄りかかるようにして浅く腰掛けた。



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