運命のヒト
恋心
どうやって一日の仕事をこなしたのか覚えていない。
それでも昨日のようなケアレスミスを連発しなかったということは、ある意味、集中していたんだろう。
……時々感じる、シロの深い孤独。
今朝の、あたしを突き離すようなシロ。
そして……鳴るはずがなかった鐘。
整理できない数々のことを、仕事の間だけでも頭から追い出していたかった。
帰り道、駅で大我にバッタリ会った。
「あ……」
自販機から缶コーヒーを取り出していた大我と、目が合う。
気まずい。今朝、シロとのあんなやり取りを見られてしまったから。