日常的幸福論~もうひとつの話~





ピンポーン……



出来たばかりの肉じゃがを味見しているとチャイムが鳴った。




誰だろう?



飛鳥なら鍵を持ってるからチャイムを鳴らすなんてしないし。




「はぁい」



リビングに備え付けてあるドアフォンの液晶テレビのスイッチをONにした。




……えっ?




画面には人が映っておらず、その代わり薔薇の花束が画面いっぱいに映っていた。





『君より綺麗な花束は見つからなかったけど、この花束を受け取って頂けますか?』




ゾワゾワと、背中に悪寒を感じた。




こんな歯の浮くようなセリフ言われたことない!!




でも、この人の声、どこかで聞いたことがあるような。
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