彩音が俺の部屋に来てくれてから、荒んでいた俺の生活が一変した。

ただ寝るだけだった俺の部屋に、彼女の匂いが付いていくのが幸せだ。
 

相変わらず料理の得意じゃない彼女は、思わず笑い転げてしまうような不思議な行動を取ったりするけれど、それがまた楽しくて仕方ない。


「ちょっと、駿」

「どうした?」

「あの、さ。コンビニ……」


 キッチンから彩音の沈んだ声がする。


「ん?」

「だから、コンビニ……」


出勤前に、朝食を作ってくれていたはずなんだけど……。

着替えてキッチンに向かうと、なんだか焦げ臭い。


「ごめん」

「あはは、ラジャ」
 

フライパンの上には、きれいに焼けているベーコンエッグ。
だけど……その隣には、真っ黒に焦げたパン。