目蓋がいつもより重かった。

「……ここ、どこ?」

爽やかな朝の光の中で……吐き気がした。
気分は全く爽やかとは程遠い。

なんでベットで寝てるの?
私は庭園で寝たはずよ!?

なにこの大きなベット……六畳位ある?
お父さんが30年ローンで買った家にある私の部屋は、四畳半ですがっ。

なんで天蓋付きお姫様仕様なの?
私でなく、某姉妹のお姉さまがまっ裸で寝るべき豪華さじゃない!

なんでなんでなんでなんでよ!?
なんで、また知らない場所なのよ!

怖い、恐い……こわいよ!
もう駄目、もう……ほんとにだめだ! 
耐えられないよ!

「りこ、りこ!我に念を向けてくれ!」

何かが私のパジャマの袖をひっぱった。

「……竜……ハク?」

あ。
ハク、ハクちゃんだ。

「りこ! 念を向けてくれないと、言葉が分からんのだ。不安と混乱、恐怖を漠然と感じるしかできない。りこ、りこ! 心を我に向けてくれ。」

なら、昨日と同じ異世界?
言葉……分かってくれる。
ハクちゃんが居る。
居てくれる。
私、独りじゃないよね?

「そうだ、りこ。我はりこの側に。りこは何も心配するな。不安も恐怖も我が払ってやる。りこを傷つける総ては我が<処分>する」

ああ、頭の中がぐるぐるする。
感情がぐらぐらして……ごめん、ハクちゃん。
よく分からないの。
細かいことが、考えられない。
どうしちゃったのかな、私……。

「分からなくても、大事ない。我が側に居る」

そっか。
そうだった。
ハクちゃんが居てくれるんだもん。
なんとかなるよね?

「なんとかどころか、世界を手に入れることだって可能だ。りこ、我のりこ。お前の望みは我が総て叶えてやろう」

望み……願い事?
うーん、そうだね……うーん。

「触ってもいい? ハクちゃん」

ハクちゃんの金の眼がくるりくるり。
返事を待たず触れた。

触れたっていうより、抱きしめた。
ああ……なでなでしたかったのに、抱きしめちゃったな。
頭がぐらぐらする。

思考がめちゃくちゃだよ。
もう吐き気はしない……まぶたの重さが増していく。

「ん……もうちょっと、寝るね」

眠い眠い……ね……むいなあ。


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