恋する24時

「……ア、タシ?」





 どおしたんだっけ?



 起き上がろうとして

 ついた腕に力が入らなくて

 身体が布団に落下する。



 ズキンッと

 頭が痛くなって押さえたら

 額に冷えピタが貼りついていた。

 

 熱くて

 ふわふわする。



 携帯の時計を確認すると

 10時30分を少しまわっていた。





「あぁ……」





 やってしまった



 体力だけは

 自信があったのに



 ベッドサイドに

 風邪薬とたくさんの飲み物と

 やわらかそうな菓子パンと

『会社休みにした、寝てろ』

 とだけ書かれたメモが置かれていた。





「……」





 その内容が、印南先輩っぽくて

 可笑しくて吹き出してしまった。



 飲み物だけ少し頂いて

 アタシはまた枕に頬をつける。



 お昼まで寝ていよう

 そしたら菓子パン食べて

 薬飲んで……



 うとうとしながら

 しなきゃいけないことを考える。



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