ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
「カホ……」


興奮しているわたしを鎮めるような声が耳に届いた。

わたし、わけがわからなくなって取り乱しちゃったけど……

少し冷静になり、言ってはいけないことを口にしてしまったことに気づく。


「ごめん、ヒロくん。今のは忘れて」


誰もいないオフィスはこんな魔の時間がある。

それにいつもと違うヒロくんの香りが拍車をかけて、こんなことになってしまったのだ。


「なんで? 今の本心なんじゃないのかよ?」

「だから忘れてって言ってるの!」

「カホ!」

「帰る!」

「待てって」


ヒロくんはわたしの肩をつかんで振り向かせようとする。


「いやっ!」


さっきまでわたしを見下した顔をしていたくせに。

急に情熱的にならないでよ。
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