背後の彼
皆が拍手と共に
口々に

おめでとう

を言う。

同僚は少し照れながらも幸せそうであった。


私も

おめでとう

と言った。


満面の笑みで

ありがとう

と返された。

私はそれから
さりげなく
その輪から外れていって

端の方でひっそりと
皆の様子を眺めてみた。


喜ばしいはずなのに
彼女のいる辺りを包む
幸せな空気の中にいる事に

なぜか、耐えられなかった。
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