小芝居の効用 副作用 副産物
切ろうと思えば いくらでもあったその機会
会って 別れる時
何度か 別れるように仕向けた。

いや、会う前はいつも
別れ話を用意していた。

最後まで 彼女の財政を
支えられる自分なら
全てを受け入れる。
最後までは無理、
それほど、彼女の身の回りの状況は
不幸の塊りだった。

その不幸話の数珠つなぎは
詐欺師のそれ というより
悪質なギャグのオンパレード。

ホンモノの詐欺師なら
頃合を知っているだろう。

誰も考えつかないような
あの手この手を
繰り出してくる彼女は
まさに詐欺師なら天才、
詐欺師の班長になるべく逸材。

それほどまでに
凄まじい不幸話。

しかも、新聞にも
載っちまう
親の死まで
企画してしまう。
< 3 / 13 >

この作品をシェア

pagetop