繋いだ手
ステージ
今日の夕方から、店に新しいコが入ってくる。



共同経営で、


昔からの職場仲間と



3年前にこの町の中心部に店を開けた。





25のチャラチャラした(ように見える…)自分達に、回っても回っても、


門前払いの毎日だった。



資料を開きもせずに、


「いやぁ〜手ごろな物件はありませんねぇ〜。」



と、口元だけ笑いながら、シャットアウト。


親切に物件を紹介してくれる不動産屋が、まず、いない。


市内のあらゆるところに出向き、



今日こそは!
と、何十件回っただろうか?




と、ようやく、あたしたちの運命の場所に出会えた。

春から探し始めた、あたしたちのステージ探しは、


いつの間にか、季節は巡って、



一面が赤や黄色の落ち葉に染まる



秋になっていた。
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