日曜の午後。

窓の向こうのすこぶる快晴な空を見て、明子はいつもより長めの散歩を思いついた。
けっきょく、また眠ることはできず、朝早くから干すことになった洗濯物は、昼過ぎには乾いた。

(こんなに、いい天気なんだもの)
(家に引きこもっていたら、もったいないわよね)
(ホントに、見事な秋晴れよね。気持ちいいなあ)
(ん?)
(もう、冬、になるのかな?)


イヤな夢で目覚めて、なにをしていても気持ちが鬱々していた。
このまま家に引きこもっていると、ますます気が滅入りそうだった。
気分転換も兼ねて、今日もがっつり歩き回ってこようと考えて、ふと、しばらく行っていなかった図書館を、明子は思い出した。
図書館は、自宅から距離にして七キロメートルか、八キロメートルくらいだった。
歩いていけない距離ではない。
多分、時間にすれば、片道一時間半くらいかなと、明子は目算した。
今から出れば、夕方には戻ってこれるに違いない。


(豆料理のレシピ本とか、あったら借りてこようかな)
(料理のレパートリー、もっと増やしたいし)


そんなことを考えて、明子は図書館を目指すことを決めた。


(陽を浴びて、たくさん汗を流して、イヤのことは忘れよう)
(それが一番)


茶色のタートルネックのTシャツの上に、黄色のマドラスチェックのネルシャツを羽織り、黒のチノパンを穿いて、足元はもちろんウォーキングシューズ。
念のため、薄手のパーカーを畳んでバックに入れた。


(目指すは、図書館!)
(いざ! 出陣!)


玄関で小さく拳を握り、明子は自分に気合いを入れた。

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