キスはおとなの呼吸のように【完】
7.カズトの宝物
お客さんがいなくなって、ふたりきりになった立ちのみスペース。
カウンターを雑巾で拭きながら、わたしは地面にしゃがむカズトにたずねる。

「ねえ、カズト」

「ん?」

カズトは掃除をしながら、かん高い声で返事をする。
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