妄毒シチュー
はじまり




「……へ?」





あたしは自分のアパートの目の前で、腕いっぱいに缶ビールを抱えながら間抜けな声をあげた。

この、目の前にいる美少年は、ぽかんと口を開けたあたしに向かって柔らかく微笑んでその口元に添えた人差し指をぴん、と立てる。


 「誰にも言っちゃダメだよ?
  実は俺、天使なんだ」


……どうやら恵まれないあたしを哀れに思った神様が、イケメンの天使を派遣してくれたらしい。





って、

そんなバカな話があるか!!

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