華〜ハナ〜Ⅲ【完結】

記憶




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女の子が生まれた家は、桜咲く家、桜咲(オウサカ)という異名で知られた億万長者の家だった。


父親の代まで5代続けて世界長者番付に載る、正真正銘の大金持ち。


そんな父親が日本で生活することは珍しく、女の子が母親のおなかにいる間も3度しか帰ってはこなかった。


女の子が生まれてからも1歳になるまでに会ったのはたったの1度。


初対面で長女に放った男の言葉は「気持ちが悪い」だった。





























「あんたなんか、生まれてこなければよかったのに。」



目のふちを真っ赤にした少女は、毎日投げてよこされる言葉に耳をふさいだ。



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