スイートルームの許婚
*異国のお嬢様
今日は早番。


「お先に失礼します…」


「お疲れ様…」


チーフと挨拶を交わして、俺はコンシェルジュデスクを出て行く。


「小早川さん」


藤沢さんもフロントから出てきた。


「これから…エマさんと食事ですか?」


「あ、まぁー」


フロントの奥のバックヤードへと二人で入っていく。


「由可奈から聞きました…」


「えっ?」



俺は辺りをキョロキョロ見渡して、人がいないコトを確かめる。


でも、念の為に、近くのパントリーの中に入った。





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