竜王様のお気に入り
それぞれの想い
ハクリュウの部屋。


大きな窓の前にハクリュウの座る白き椅子は置かれている。


ヤヨイがここへ来てすぐに、主の手によって引きちぎられたカーテンは、元通りになっていた。


日本の着物のような、中国のチャイナドレスのような、そんなデザインの衣装は、ハクリュウのしなやかに引き締まった肢体を豪奢に包んでいる。


ヤヨイもまた、ハクリュウの衣装にズボンがないだけの、丈の長いドレス姿であった。


とても引きちぎられたカーテンからできているとは思えない仕上がりだ。


そんな豪奢な衣装を着た二つの影。


窓を背に重なり合う、その二つの影は何とも美しく、洗練された絵画を見ているかのようだ。


「ヤヨイを味わいたい」


唇が離れるとハクリュウは潤んだ瞳をヤヨイに向けた。


ヤヨイはこくんと頷いた。


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