カレンダーはすでに6月に入れ替わった。

あれからもう、ひと月も経っている。
あの夜から、出張以外は毎晩といっていいほど、聡は夏海のコーポで過ごしていた。


「悠のことは鑑定なしで認知しよう。あの子が、一条の血縁であることは間違いなさそうだからな。それと、昨夜、私は何の注意も払わずに君を抱いた。採用前に調べた限りでは、君に他の男の影はない。もし授かったときは、今度は疑いようもなく私の子供だろう。責任は取るつもりでいる。これ以上恥を掻く前に、入籍を済ませてしまおう」


ファミレスの帰りに、聡が口にしたプロポーズの言葉である。

これで怒らない女性がいたら奇跡であろう。


「避妊を怠った責任は私にもあります。ですから、責任を取って結婚していただかなくても結構です! それと、何度も言うようですが、悠とあなたは無関係です。ご心配なく!」


聡は夏海を怒らせるだけとも気づかず、プロポーズをさらに続けた。


「君の過去の行いには目を瞑ると言ってるんだ! 君も判ってるだろうが、私たちはどうやら、体の相性が恐ろしくいいらしい。君もその点は充分に満足してるだろう? 今後のこと考えても、籍を入れておくほうがベストだ」

「あなたが私の過去に目を瞑れても、私はあなたにされたことは忘れないわ。――体の相性がいいことは認めます、でもそれだけで結婚はできません!」


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