さくら色 〜好きです、先輩〜

「小野田先輩は桜井先輩と仲良いんですか?」

「ん?ああ、奏人とは地区選抜でずっと一緒だったから。あいつサッカー上手いしああいう性格だろ?だから皆に慕われてたんだけどな…」


小野田先輩は水道で髪を濡らし頭をブルブルと振った。


「ちょっと!ちゃんと拭きなよ」なんて言いながら、タオルで髪を拭いてあげる幸せそうな若菜先輩。

そんな仲睦まじい二人に、こっちまでほんわかした気持ちになる。

だけど、二人の関係は秘密。

こんなにイチャイチャしてたらすぐにバレてしまいそうで、見ているこっちが気が気じゃない。

思わず周りを見渡したけど、特に気にしてる人はいなさそうだった。


「俺、奏人のサッカー好きだよ。あいつがいれば全国も夢じゃない。今年は恭介もいるしな」

「俺なんてまだまだです。だけど、桜井先輩と小野田先輩がいれば絶対いけると思います」


私はサッカーの上手い下手はわからない。

だけど、先生も部員も一目置いているこの二人が言うんだから先輩は本当に凄い選手なんだと思った。





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