真っ青な空に白い入道雲、絵に描いたみたいな夏の景色が窓の外にひろがっている。


汗で背中にシャツが張り付いてうっとうしい。

うちわでパタパタとシャツの中をあおいでいると、背中に衝撃、前につんのめる。



「おはよーっす!」

「なに?おまえ、テンション高くね?」



背中にアタックしてきた、異様にハイテンションな羽柴はにやにやと破顔してる。


「教えよーかなあ。どーしよっかなあ」

「なんなんだよ。暑苦しいから離れろ、どっか行け」

「まあ怒んな、教えてやるからさあ。……実はな、隣のクラスに転校生が来るらしいぜ。しかも女の子!美人らしい!」



俺の言うことなんかガン無視で喋り続ける羽柴はイキイキしている。

……美人な転校生ねえ。どこ情報かしんねーけど、クラス違うとか微妙じゃね?

それに、こういうのはあんまり期待しないほうが良いって言うし。

いまいちノらない俺に、羽柴は不服そうに口を尖らせ、演説を始めた。


「考えてみろよ、亮平。この男だらけの工業高校に女の子が転入してくんだせ?それだけでハッピーなのに、美人ときた!このむさ苦しい、夏の暑さが和らぐってもんだろ!なあ!」



噂は羽柴のデカい声のおかげでクラス中に広まっていて、HRが始まるまで、男しかいないウチのクラスは転入生の話題で持ち切りだった。


みんな暑さにやられてんな。そして飢えてる。

まあ、そんなことを思ってる俺も、転校生のことが気にならないわけじゃないんだけど。


筋肉質な暑苦しい担任の話なんか、みんな上の空だ。