「ミアちゃん、おはよう」



下駄箱の前でそう声をかけられ、私は振り返った。

声の主は、クラスメイトの男子。



「おはよう、立野くん」



笑顔で返すと、立野くんはぼっと火を吹くくらいに顔を赤く染めて、そそくさと上履きに履き替えると去って行く。

私は口元がにやけるのを抑えながら、上履きに履き替えた。


すると近くで物音がして、そちらを向く。


「……………」


そこにいたのは、ジト目でこちらを見つめてくる、クラスメイトの宮部りさだった。


「あ。おはよう、りさ」

「………キモ」


笑顔で挨拶すると、彼女はお得意の毒舌で返してきた。

すかさず上目遣いに、「ひどい、りさ」と言ってみる。

案の定、彼女の顔はこれ以上ないほどに歪んでしまった。せっかくの美人さんが、もったいない。



「……ミア。あたしにまで、『それ』はやめて。この、猫かぶり」



とん、と人差し指で額を押される。私は小さく舌を出して、ふふっと笑った。



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