ゾンビのヒットマン
割とよくある出来事
目が覚めたら、ゾンビになっていた。


今、現在の私の状況を一言で説明すれば、そういうコトになる。

ワケがわからない。
さすがの私も、人生においてゾンビになったのは初めてだ。

つまりゾンビ初体験というワケであり、初体験というのはその対象がなんであれ、大抵上手くはいかないものだ。

何が言いたいのかと問われれば、私はこう答えるだろう。



“それは、私にもわからない”……と。



心の中で色々と言葉を並べてみてはいるものの、私には何一つわからない。

今並べている言葉にどんな意味があるのかも、私自身よくわかっていない。

これだけ言えば伝わるだろうか。

私の“混乱ぶり”が。


まずは一度冷静になろう。

“慌てる場面ほど冷静に”。

それが私のモットーであり、信条だ。

とにかく、現在の状況を整理してみるコトだ。


私は目が覚めた直後、ベッドから上半身を起こし、私の完璧なフェイスを拝もうと、いつものように鏡を覗き込んだ。

すると、私はゾンビになっていた。

なるほど、そういうコトか……。
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