シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

・再会2

****************


◇◇◇


いつもいつも、黄色い服を着ている女の子。


虐められていた処を助けて上げたら、仲良くなったんだ。


名前はイチルちゃん。


最初はあたしと**と3人で仲良く遊んでいたけれど、何だか最近はイチルちゃん、あたしにばかり話しかけている気がする。


もっと3人で仲良く遊ぼうよ。


**が悲しがるじゃない。

――私だって、****みたいにせりかちゃん好きだもの。****みたいに、独り占めしたいもの。


どこで…拗れて来ちゃったんだろうね。


挟まれたあたしは大変だ。


だけど**はにこにこして笑うようにしてる。

あたしがそう言ったから。


3人でいる時は、3人共に笑顔でいようねと。

あたしと**は離れることはないよと。


そう、それは真実だから。


イチルちゃんのお洋服は凄く黒ずんで、少し変な匂いもしたけれど…絶対脱いではいけない洋服なんだって。


――"ワゴウエキ"が染みこんでいるの。


"ワゴウエキ"ってなんだろう?



――"シカイ"するのに必要なんだって。


"シカイ"という言葉すらわからない。


――"センドウ"って難しいね。いつも怒られちゃうんだ。"クロマジュツ"なら面白くて好きなのに。


"クロマジュツ"って何だろう?


――魔法のこと。


魔法!!


何で"くろい"のかよく判らなかったけれど。


とにかくあたしと**は、吃驚して顔を合わせた。


イチルちゃん、魔法使いだったんだ!!


凄いや、イチルちゃん!!!


――王様になる為には、世界を変えないとイケナイからね。


内緒ね、と付け加えてイチルちゃんはこっそり教えてくれた。


魔法を見たいとあたしは騒ぐ。


だけどイチルちゃんはそれは駄目だと言った。


――まだ完成してないの。


イチルちゃんは困った顔をした。


――ココロが足りなくて。

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