リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・10
『甘々』・10
年下の男の子って、今までは弟みたいな感じに思っていた。

それが例え一つの差でも、わたしにとっては弟みたいな感覚で付き合っていたのに…。

「キミと付き合うようになってから、感覚が変わったのかなぁ?」

「ん? どういう意味?」

桜が咲く土手の道を、つい最近恋人になったわたしの彼氏と一緒に歩く。

「いやね。キミと付き合うまでは、わたしは恋人にするなら同い年が年上が良いって思ってたから」

「でも実際は違って、がっかりした?」

苦笑まじりに言う彼の顔を見て、わたしはニッと意地悪く笑う。

「ちょっぴしね。でも現実と理想は違うって言うし?」

「…それってフォローになっていないよ」

「アハハ。ゴメンね? ホラ、わたしってちょっとSっ気あるからさ」

「……知っているよ」

彼はどこか遠い目をしながら、肩を竦める。

うん、彼は元々わたしの性格を熟知しているから、問題はないか。
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