二時間後。


片付けはだいたい終わり、生活できる空間が出来上がった。

ふぅと息をついた灯里の全身を玲士はじろじろと見る。


「……なんか埃っぽいね、お前」

「しょうがないでしょ、作業してたんだから。水澤くんも人のこと言えないでしょ?」

「まあね」


玲士はしばし灯里を見下ろした後、リネンスペースの棚から服とタオルを取って灯里に手渡した。


「なに、これ?」

「着替えとタオル。シャワー浴びてこれに着替えて」

「へっ?」


目を見開く灯里に、玲士は肩を竦めた。

まじまじと灯里を見下ろし、続ける。


「お前、その埃まみれの格好で新幹線に乗る気?」

「……」

「お前の服、洗濯して乾燥機にかけるから。早くして」


玲士が使っている洗濯機は乾燥機能付きで、一時間もあれば乾燥が終わるらしい。

へぇと目を丸くした灯里を洗面所の方に追いやり、玲士はリビングの片づけを始めた。

改めて自分の全身を見てみると、事務服のあちこちに埃がつき黒く汚れている。

確かにこの格好で新幹線に乗るのはちょっとまずいかもしれない。

灯里は大人しくシャワーを借りることにした。


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