――――夜。

19:30。


灯里はダイニングテーブルに並んだ料理を前に驚きの声を上げていた。


「す……すごいっ!」


大皿に盛られたレタスと生ハムのサラダに、野菜のスープ。

海鮮と野菜のマリネに、綺麗に作られたオムライス。

――――まるでレストランにでも来たみたいだ。

呆然とする灯里の前で玲士は黒い前掛けをほどき、壁の棚に放って言った。


「さぁ、座って。食べるよ」


玲士は言いながら手際よくシャンパンを開け、脇に置かれたグラスに注ぐ。

大人っぽいその仕草にドキドキしながら、灯里はゆっくりと椅子に座った。


「今日はイブだからね。シャンパンにしてみた」

「水澤くんはお酒は飲むの?」


灯里の質問に、玲士は軽く首を振った。

真っ直ぐな前髪が瞳に影を作り、眼差しに艶が増す。

性格はともかくやはりこいつの外見は一級品だと灯里はしみじみ思う。


「いや、普段は飲まないよ。体に異物を入れてる感じがするからね。この程度なら水みたいなものだけど」


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