リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・12
『甘々』・12
世の中は『年の差婚ブーム』、らしい。

テレビで見たけれど、女性は年上の男性を最初の夫として、抱擁力を求める。

そして男性は年下の女性に、最後の女としての役目を求めると言う。

…生々しい話だけど、そういうのもアリだと思う。

そう思ってしまうアタシ自身、年上の男性と付き合っているからかもしれない。

「でも…本当に恋愛として、成り立っているのかなぁ?」

大きなため息を吐く。

「どうかしましたか?」

けれど背後からあの人の声を聞いて、背筋をピンッと伸ばす。

「いっいえ、何でもありません!」

振り返れば、愛おしい恋人がそこにいる。

今日も執事服が良く似合っていて、思わずニヤけそうになる顔を必死に抑える。

「このお邸は広いですからねぇ。メイドのあなたが掃除するのも大変でしょう」

四十六歳の彼は、まだ二十三歳のアタシにとても優しい。

…でもアタシに限ったことではないんだけどね。
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