好きな人は、天然タラシ。
★甘いだけの話
―――…
「ひゃ…っ!?」
―――バタンッ。カチャ。
…………
つい今の今まで廊下にいたのに、今目に映るのは薄暗い第3会議室の風景。
―――私、瞬間移動したようです…。
いつの間にそんな能力が…
ていうか…
何か、温かい。
「あ~やっと触れた。」
「!!!!」
真後ろから聞こえてくる、聞き慣れたテナーボイス。
私を包み込む腕。
…犯人は一人しかいない。
「福嶋さんっ!?何してるんですかっ!」
私は身体をよじって、後ろを振り向いた。