威鶴の瞳
依頼人役
依鶴の姿でBOMBに来るのは、初めて。
だけど長年ここへ来ていたから、ある程度手順はわかるし、値段も大体わかる。
……あ、でも雷知に頼むわけだから……威鶴の倍は覚悟が必要。
となると、情報料のみで……マサル使うかな?
ネット経由のみなら5万前後でも、実際に動くとしたら10万過ぎるかもしれない。
その辺が怪しいところ。
竹原叶香が読み通り、最悪な事態に巻き込まれていたら、トーマが黙ってるはずがないし、追加依頼も覚悟しておいて……。
……あ、でも別にトーマに請求すればいいのか。
BOMBに行く間、様々な思考が巡る。
トーマの過去さえ見せてもらって竹原叶香の未来を覗けばわかるものを……。
BOMBの事務所に着き、レインを呼び出す。
「……あ、トーマさん、私今日初めてなんですけど、紹介者は威鶴でいいですか?カード貰っているので」
「あぁ、構わない」
常に常備している紹介カードを取り出し、レインを待つ。