あと数日で7月になるという日。

鈴菜は家のリビングで両親とともに進路について話していた。

進路希望調査票の提出期限は明日だ。

鈴菜は私立大学であるN大学のパンフレットをテーブルの上に置き、両親を見た。


「この大学の人文社会学科に行きたいの!」


……あれから考えた結果。

近くの国立大学よりこのN大学に行きたいという思いが強くなり、鈴菜は両親を説得することを決心した。

N大学は斬新な文化研究を行っていることで有名な大学だ。

N大学はここからなんとか通える範囲にあるが、学費は国立大学の約二倍になる。

鈴菜の言葉に、父の弘は険しい表情で首を振った。


「ダメだ」

「なんでっ?」

「前から言っているだろう。私学だと学費が厳しい。大学に行くなら、近くのK大にしろ」


父の言葉に、鈴菜はぐっと唇を噛みしめた。

学費がないのは、両親が教育費用のほとんどを姉の春菜に注ぎこんだからだ。

姉は昔から勉強ができたため、両親は姉に期待し、姉のために教育費用を惜しげもなく使ってきた。

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