時折、カラカラと妙な音を立てて首を縦に振りながら、年代物の扇風機が生ぬるい空気をかき回している。


 開け放たれた窓にかかるレースのカーテンは微動だにしない。
 風のない真夏の昼下がりは地獄のような暑さだった。


「……あっつぅ……」


 フローリングの床に敷いたお昼寝マットの上に、立川結衣(たちかわゆい)は細長い四肢を無造作に投げ出して変死体のごとく転がっていた。

 腰まで届く長い髪が汗で身体のいたるところに張り付いている。

 冷えすぎるのでエアコンは嫌いなのだが、さすがにこの暑さに耐えきれず、側に転がっていたリモコンを拾うとスイッチを入れた。


 窓を閉めるため窓辺に寄ってカーテンを開くと、雲ひとつない抜けるような青空の下、生い茂る街路樹の深い緑の中からセミの大合唱が暑さを倍増していた。

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