密フェチ†鬼畜Night
3People
「コウちゃんやめて!」
私は必死で晃ちゃんに縋り、押し止める。
「舞!何度この男に泣かされれば目が覚めるんだよっ」
晃ちゃんの指差す先にいるのは
ソファーでだらしなく長い足を投げ出し、醒めた目で私たちを見ている、凌。
ゾッとするくらいの、美貌の男。
「…こっちにおいで、舞」
オニキスのように黒い光を放つ目、その下の泣きボクロ、低い艶を含んだ声と長い指を持つ手が、
私を呼ぶ。
「行くな舞!」
私だってわかってる。
凌がヒドイ男だって。
私のことなんか愛していないって。
私のこと、本当に想ってくれているのは晃ちゃんの方だって。
今夜だって、いつも凌のことで泣いている私のことを見かねて、私の部屋まで乗り込んできてくれたんだよね。
小さな頃からいつも傍に居てくれた晃ちゃんのことを、好きになればよかった。
でも、ダメなの…---
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