アホ毛のアン【短編】
そして学校へ
スクーターは原動機付き自転車に分類される。


原付の法定速度は時速30キロ未満である。


だがそれはあくまで建前であり道路を走行する車両の中で、流れを乱さず安全に走る為にはそんなのは守っていられない。


でも決まりは決まりだ。そしてアンは今ノーヘルでもあった。


運悪くアンはたまたまパトカーに見つかった。


たちまちパトカーは獲物を見つけた猟犬のごとく追跡を始め、外部スピーカーで停車を呼び掛けてきた。


『そこのスクーター停まりなさい。繰り返す、スクーターの女の子停まりなさい』


電車内のアナウンスみたいに平たい声だなとアンは思った。


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