「いってらっしゃいませ。」

「うん。行ってくるね。春乃。」

玄関先でにこやかに笑う建志を春乃は見送った。
門の手前にリュートが
車のドアを開けて待っているのが見える。


春乃は軽く会釈をした。
リュートも、軽く手を挙げて合図をする。


リュートさんって、
運転手さんなのかしら?


春乃は、遠ざかる車を見ながら
そんなことを思った。



「奥様。おはようございます。
 いい天気ですね。」
「おはようございます。奥様。」

振り返ると掃除用具を持った佐々木さんが立っていた。
隣には白いエプロンをつけた若い女性。

「お…おはようございますっ。」

春乃はあわてて振り返って
ぺこりとお辞儀をする。


「まぁまぁ、奥様。そんなに緊張なさっては私たちが困ります!」

あはは。と佐々木さんは人のよさそうな笑顔を浮かべた。

「奥様。私は佐々木 ナナです。
 奥様のお世話係をさせていただきます。
 何かありましたら、すぐにお申し付けください。」

私の娘なのよ~

と、佐々木さんはまたあはは。と笑った。

「よろしくおねがいしますっ。ナナさん。」

春乃はまたあわてて頭を下げる。

「奥様。そんなっ。こちらこそよろしくお願いしますっ」

ナナもあわてて頭を下げる。
その二人の様子をみて、佐々木さんはまた笑った。


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御曹司  医者  甘々  政略結婚  お嬢様  イケメン 

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