朝方まで美羽を抱いてから、眠りに入った記憶がない――。

 気づけば彼女は寝息を立てて、僕はぼんやりと窓辺から入る木漏れ日を見ていた。

 霧や曇りの多いロンドンに陽光がやってくる……イングリッシュサマーのとても爽やかな朝。

 そして彼女はゆっくりと起き上がり、出社の準備をする。だが、僕はベッドから動けなかった。

「また、眠れなかったんですか?」
「あぁ……人間は案外疲労しすぎると目が冴えるものだね」

 ここのところ会議が立てこみ、取引が思うように進んでいなかった。時差にやられるほど細やかな神経はしていないつもりだが、どうも身体中がピリピリとしている気分だ。

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