月夜の翡翠と貴方
スジュナがどんな表情をしたかは、こちらからは見えない。
私の頭からは、先程のスジュナの顔が、いや目が、離れなかった。
父親にすがりつくスジュナの後ろ姿を呆然と見つめる。
……あれは。
…あの目は。
虚ろな、目。
まるで感情が抜けているようで、どこか何かに囚われたように、見えないところを彷徨っていて………
あの目を、私は。
男はルトを真っ直ぐに見つめ、決心した表情で言った。
「…全て、お話します」
私は、あの目を知っている。