元恋人の甘い痛み【完】


嫌な男だと心底思っていたにも関わらず、次の日にはまた私の心を掻き乱す出来事があった。


昨日私を室内中庭へ閉じ込めた女が、本社勤務では無くホテルの清掃係へと強制辞令を出された。


辞令を出したのは人事課でも経理課部長でも無く、雷牙本人だと風の便りで知った。


昨日の今日だもの、きっと昨日の事があったからに違いない。


嫌な男だと思っていたのに…どうして私を庇う様な事をするの。私の事なんて放っておけば良いのに。


益々雷牙が分からなくなった。


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