元恋人の甘い痛み【完】


雷牙の運転する車で向かう中、言葉を交わす。


「…もう時効じゃないのか。いつまでも引きずったって仕方ないだろ」

「貴方が言わないで」

「これから何度も顔を合わす事になる。いつまでも気まずいままだと仕事にならない」

「それじゃあ、ホテルへ行く時は私を外してくれる?次行く時は貴方一人で行って」

「…お前は本当頑固だな」

「そんなの今更だわ」


雷牙の言う事はごもっともだと思う。本当なら此処で大人になって頷くべきなのだろうけど、私には出来そうにない。


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